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日本遺産ソムリエ・インタビューシリーズ

「日本遺産」を知ると、歴史を語れるようになる。

小樽日本遺産地域プロデューサー&インタプリター / Yahoo地域クリエイター

大山幸彦さん

Profile

普段は地元・小樽の日本遺産ガイドやガイド養成などを行っている。通訳案内士として外国人向けの旅行ガイドも行う。また、旅に関するライター活動も行っており、Yahoo地域クリエイターとして北海道の魅力を発信したり、北海道フードマイスターとしても、北海道内・東京、あちこちで出会った美味しいものやイベントを紹介している。特にコーヒー、ワイン、チーズが大好き。

X(旧twitter)

Blog

「日本遺産全体を知ることは、とても重要なことだと感じた」。
そう話すのは、地元・小樽市の日本遺産地域プロデューサー&インタプリターとして、日本遺産ガイドやガイド養成などを行っている大山幸彦さんです。大山さんは今回、日本遺産検定を受験し、「日本遺産ソムリエ」になりました。普段から認定地域で活動している大山さんが、なぜ日本遺産検定を受けようと思ったのか。今後、日本遺産ソムリエとしてどのようなチャレンジを考えているのか。お話を伺いました。

インタビュー:小林こず恵 / 日本遺産普及協会

日本遺産の魅力は、日本の歴史を語れるようになること

小林:大山さんは、普段から日本遺産に関わっていらっしゃると伺いました。具体的にはどのような活動をされているのですか?

大山:普段は北海道と東京を中心に、旅行ガイドとして活動をしています。そんな中で、地元・北海道の日本遺産の活動をお手伝いすることになりまして、主には小樽市に関わる「北前船」「炭鉄港」に関わっていますね。

普段、通訳案内士として外国人の方の旅行ガイドも行っているのですが、日本遺産も他言語化したいというご相談があり、そこからガイドとしていろいろと活動をするようになりました。

小林:なるほど。地元が小樽市ということで、地元へ貢献したいなどもあるのでしょうか。

大山:それはすごくありますね。仕事というよりも、元々はライフワークに近い感覚で、好きで関わり始めました。そうやって活動している中で、課題とかやらなきゃいけないことも見えてきて、プロデューサー・アドバイザーとして、深く関わるように。そんな中で、どんどん日本遺産に興味が出てくるわけです。

小林:大山さんにとって、日本遺産の魅力って何でしょうか。

大山:そうですね。ガイドとして日本中を回っている中で感じていたのが、海外の方、特に欧米人の方などは歴史や背景をとても知りたがるということです。日本遺産ってあちこちにあるから、日本の歴史を語る上でちょうどいいんですよ。

僕は炭鉱や鉄道が好きなんですが、たまたま敦賀市(福井県)役所の方と話をしている中で、「敦賀にも鉄道系の日本遺産がある」とお聞きして、面白なと思って調べたり現地に行ったりしたんですね。そうやって調べている中で、「飛騨高山にもある」「箱根にもある」と、いわゆる人気スポットにも日本遺産があることがわかって。

「いろんなところにあるんだ」っていうのを知っていくうちに、それぞれの歴史がつながったりしていく。それが面白いなと思いましたね。

ガイドで大事なのは「ストーリーを語ること」

小林:これまでは、ご自身が関わる小樽以外の日本遺産は、あまり触れる機会がなかったのですね。

大山:西日本は特に知らなくて。なので今回、日本遺産検定で知識を網羅できたので、すごくいいきっかけになりました。日本遺産検定に向けて勉強をしなかったら知らないままの街や歴史っていっぱいあったと思うんですよね。勉強しながらもだんだん理解が深まって、つながりが見えてきて、より興味がわいています。

また、ストーリーなので、その認定地域の”思い入れ”がどこにあるのか?みたいなのも全然違うので、それも面白いポイントでした。他の地域を知ることで日本遺産全体の理解が深まるのもそうですが、自分たちの地域を客観的に見られるようになったというのも、良かったですね。

小林:ちなみに、今回なぜ日本遺産検定を受けようと?

大山:やってみたいと思ったのは、観光業や地域創生に関わってる以上、基礎知識として、日本遺産を全体的に知ることはとても重要なことだろうと感じました。

ガイドで生きるイコール「ストーリーを語ること」だと思っています。私たちガイドは、英語であっても日本語であってもいかにストーリーを語るかが大事。この地に来ている日本人、そして日本に来ている外国の方、いずれも「なぜここに来たのか」一人ひとりにちゃんとストーリーがあるんですよ。

ガイドとして一番やってはいけないのは、たとえば「あれが大阪城です。綺麗ですね」で終わってしまうとかね。やっぱり事実の羅列ではなく、ストーリーを聴かないと面白くないわけです。その点、日本遺産はストーリーが基盤にあるというところが素晴らしいですよね。

小林:一方で、ストーリーゆえ、目に見えないのですごくわかりづらいという声も聞きます。

大山:そうなんですか。私にとってはすごくカタチあるものに感じます。ストーリーがあるからこそ、そこに何かが存在しているわけなので。

でももしかしたらこうした視点はガイドだからかもしれませんね。ガイドをしている方や添乗員の方、観光に関わる方など、伝える立場にある人が、もっとストーリーを発信していくことで、みなさんにとってわかりやすいものになっていくんでしょうね。なのでそういう方々が、日本遺産検定を受けて、よりストーリーを語れるようになっていくといいなと。

日本遺産を通じてみんながもっと優しくなれる

小林:ありがとうございます。最後に。今後、大山さんご自身がチャレンジしてみたいことはありますか。

大山:やはり日本は非常に風土が良いですし、文化も多様です。今、世界中が日本の多様性や独自の文化にものすごく興味を持ってるんじゃないかなと感じています。

日本人である以上、自国の文化の知識を持つことはすごく大事だと思いますし、特に我々ガイドは、語れるようになるだけじゃなくて相手に合ったストーリーに落とし込んでいくことも重要です。つまり、相手のストーリーと地域のストーリーをうまく組み合わせて、心に残してあげるということ。

ですので、各地で日本遺産の旅をしたり、日本遺産を活用するお手伝いをしていきたいですね。各旅行会社にもそういったツアーをいっぱい作ってほしいです。学生の教育旅行の一環でとかで日本遺産ツアーをやってみるのも良いと思います。

日本遺産を可視化するようなツアーがどんどん増えていったらいいかなと。

小林:日本遺産のツアーが各地で増えたら、ストーリーを語れる人が増えそうですね。

大山:はい。そうしたツアーを企画をするためにも、単に日本遺産を覚えるのではなく、ストーリーを感じるチカラを養うといいんじゃないでしょうか。ストーリーを感じるチカラが身につくことで、訪れた人のストーリー、海外からわざわざ日本に来た人のストーリーを理解することにつながると思います。

互いのストーリーを理解し合うことで、みんながもっと優しくなれるんじゃないかなと思いますね。今世の中でいろんな問題が起こっているんですけども、日本遺産を知ることで、その地域で暮らす人のことをより理解しやすくなるんじゃないかなと思います。そうやって日本の文化・多様性を知ることで、いろんな人と生きていく上で互いが優しい関係を築ける。日本遺産がそうしたきっかけになったら嬉しいですね。

小林:ありがとうございました!

【大山さんの日本遺産に関わる活動の最新情報】

▼ 9/9 道の駅あびらD51ステーションで、日本遺産炭鉄港を知ってもらうためのガイド
https://ameblo.jp/yukihikohubert2/entry-12819784889.html

▼「旅色」2023年7号にて、炭鉄港メシの記事にコメント掲載
https://tabiiro.jp/sp/book/monthly/202307/sorachi_tantetsuko-meshi/