2026年1月に行われた日本遺産検定1級の合格率はなんとわずか3.9%!
狭き門を突破した1級合格者の方に勉強方法や日本遺産への思いなどを質問しました。
ぜひご覧ください。
土居七海さん(新潟県在住・会社員)
大学時代に偶然日本遺産と出会い、日本の地域活性化へのアプローチになり得ると研究を開始。全104の日本遺産の活用事例を調査し、「『日本遺産』は子どものシビックプライド醸成に寄与するのか」をテーマに卒業論文を執筆した。大学卒業後は、日本遺産オフィシャルパートナー企業の1つに入社。好きな日本遺産は、港街・新潟の歴史を語るには欠かせない「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」。
◆合格歴
・2023年7月3級検定合格
・2024年8月2級検定合格
・2026年1月1級検定合格

◆受験動機・難易度・試験内容について
—日本遺産検定1級を受験した動機、きっかけを教えてください。
日本遺産への知識を深め、日本遺産の魅力、日本各地の魅力発信に貢献したいため。2級まで取得していたので、さらに極めたいと思いました!
—合格の通知を受けて、どう思いましたか。
ホッとした、というのが正直なところです!笑
—第1回日本遺産検定の問題を解いた率直な感想を教えてください。
難易度は高いですが、日本各地で紡がれてきたストーリーの面白さを体感できる良問ばかりだと思います。
—「最も難しかった」と感じたポイントはどこでしたか?
面白くもあるポイントですが、異なる日本遺産の共通点を問う問題は難しかったです。長い歴史を経ると、異なる地域であっても、究極は同じところに行き着くのだな、という歴史を学ぶ醍醐味を感じるポイントでもありますね。
—時間が足りないと感じた方が多かったようですが、どのように時間配分を工夫しましたか?
月並みですが、迷った問題は飛ばし、分かる問題から確実に解くことを意識しました。
◆学習方法・準備について
—どれくらいの期間、勉強をされましたか?
1級受験を意識して勉強したのは2ヶ月ほどです。ですが、大学時代に全104の日本遺産を対象として研究をしていたため、その経験が大いに役立ったと思います。
—使用した教材・役に立った学習方法は何ですか?
『るるぶ日本遺産』はコンパクトに全104の日本遺産を解説しながらも、写真も豊富で、行ったことのない場所でもイメージが湧きやすいのでオススメです。
—構成文化財の情報量が膨大ですが、どのように整理・暗記しましたか?
日本遺産の理念そのものでもありますが、「ストーリー」「面」で覚えることを意識しました。あれと、これがどう繋がっているのかを理解できれば、スッと覚えられたように思います。
—旅行や現地訪問など、その他勉強に役立ったことが具体的にあれば教えてください。
現地を訪れ、その土地のものを食すことです!「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」では、「ゼリーフライ」は想像以上にお腹に溜まるんだなとか、「山寺が支えた紅花文化」では「おみづけ」は山形の暑い夏でもサッパリいただけるのだななど、五感でその土地を感じ、学ぶことができます。
—独自の勉強方法があれば、ぜひ教えてください。
やはりその土地を訪れ、その土地のものを食すことですね!笑
◆日本遺産への思い・受験を通しての気づき
—勉強・受験を通して、日本遺産のどんな魅力を改めて感じましたか?
日本各地の多様性を改めて感じました。狭い国土の中で、これだけ多様な歴史・文化が育まれている国は、世界的に見てもそう多くないと思います。それは各地が独自の文化を持ちながらも、外の文化も柔軟に取り入れ、変化してきたからだと、先人たちの知恵を日本遺産の勉強を通じて学ばせていただきました。
—勉強・受験を通して、印象深かった問題やストーリー・構成文化財があれば、その理由とあわせて教えてください。
異なる日本遺産の、食文化の共通点を問う問題は特に印象的でした。時代や場所は違えど、人々の食にかける想いは同じなのだな、と思いました!笑
◆次回以降の受検者へのメッセージ
—これから1級を目指す方へ、アドバイスをお願いします。
日本遺産の特徴は何と言っても「ストーリー」です!知識を暗記するというよりかは、各地の物語を深く理解することが1級合格への近道のように思います。実際にその土地を実際に訪れ、五感で物語を感じ、日本遺産を楽しんでいただきたいなと思います。
辻堂理紀丸さん(福岡県在住・学生)
大学では民俗学を専攻しています。趣味は、旅行、音楽、ドラマ、映画、読書、ダンス、謎解き、などなどです。知らない町を歩くのが好きです。好きな日本遺産は「関門“ノスタルジック”海峡~時の停車場、近代化の記憶~」と「津和野今昔~百景図を歩く~」です。
◆合格歴
・2025年1月3級検定合格
・2025年5月2級検定合格
・2026年1月1級検定合格

◆受験動機・難易度・試験内容について
—日本遺産検定1級を受験した動機、きっかけを教えてください。
日本遺産に関する理解をさらに深める機会として受験しました。また、第1回の1級試験に合格することで、今後の日本遺産を発信する活動において、箔がつくのではないかと考えました。
—合格の通知を受けて、どう思いましたか。
自信はあまりなかったので、合格の通知を受けて、喜ぶと同時に少し驚きました。
—第1回日本遺産検定の問題を解いた率直な感想を教えてください。
かなり難しかったです。構成文化財や人物を問う単純な形式の問題はある程度自信があったのですが、正しい文を選択する問題や、正しい選択肢の数を問われる問題は、微妙な理解のずれが失点につながるので、難しかったです。
—「最も難しかった」と感じたポイントはどこでしたか?
出題範囲の広さに苦労しました。それぞれのストーリーを一つ一つ理解するだけでも膨大な知識量が求められますが、各ストーリーの関係性や相違点も整理する必要があり、大変でした。
—時間が足りないと感じた方が多かったようですが、どのように時間配分を工夫しましたか?
1周目はスピード重視で、難しい問題は直感で答えて、2周目に自信がなかった問題や直感で答えた問題だけ、ゆっくり時間をかけて考えました。
◆学習方法・準備について
—どれくらいの期間、勉強をされましたか?
本格的な勉強を始めたのは、対策講座が実施された12月の始めあたりです。
—使用した教材・役に立った学習方法は何ですか?
対策講座とポータルサイトに載っている情報を軸に勉強しました。
—構成文化財の情報量が膨大ですが、どのように整理・暗記しましたか?
重要だと思う構成文化財にしぼって、整理しました。また、グーグルマップを活用して場所を調べ、掲載されている写真を見ることで具体的なイメージを持てるようにしました。
—旅行や現地訪問など、その他勉強に役立ったことが具体的にあれば教えてください。
現地訪問するには時間的にも金銭的にも余裕がありませんでしたが、ポータルサイトに掲載されている各ストーリーの紹介動画から現地の様子をイメージしていました。
—独自の勉強方法があれば、ぜひ教えてください。
シンプルですが、ひたすらノートに書き出して整理していました。人物名を赤、構成文化財を緑、その他の重要なワードを青で書き出していました。テーマごと(焼きもの・疎水事業・山岳信仰など)や地域ごとにも整理しましたが、間に合わずに網羅できていないテーマも多くありました。
◆日本遺産への思い・受験を通しての気づき
—勉強・受験を通して、日本遺産のどんな魅力を改めて感じましたか?
空間的にも、時間的にも、各ストーリーが少しずつ重なって、学べば学ぶほどに世界が広がっていく感覚が味わえます。
それぞれの土地に自然があって、信仰があって、食文化があって、生きていくための営みがあって、それらを形作ってきた歴史があります。それらは地域特有のものですが、地域間の交流や歴史的背景・地形的条件の類似から、少しずつ共通点が生まれます。そこに親近感が生まれると同時に、「ここは似ていて、ここは違う」といった気づきが複雑さを生みます。
私もまだまだ知らないことばかりですが、そんな複雑さの先に、未知の世界との楽しい出会いが待っているのだと思います。
—勉強・受験を通して、印象深かった問題やストーリー・構成文化財があれば、その理由とあわせて教えてください。
私が印象深かったのは、「六根清浄と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~」における白狼伝説です。日本遺産には登録されていませんが、湯田温泉における白狐伝説や道後温泉の白鷺伝説などもあり、白い生き物と温泉には不思議なつながりを感じます。
そんな中でも三朝温泉の伝説は、白狼がきっかけでありながら、実際に温泉の場所を示す役割は妙見大菩薩が担っています。生き物にまつわる開湯伝説でありながら、神のお告げによる発見という形式をとっているという点で、湯田温泉や道後温泉とは異なります。これは、三朝温泉が温泉であると同時に、信仰の拠点であることに理由があるのかもしれません。温泉の発見譚を収集し、類型化すると新たな発見があるかもしれませんね。
◆次回以降の受検者へのメッセージ
—これから1級を目指す方へ、アドバイスをお願いします。
1級試験は、かなり難易度が高いと思います。正直に申しますと、勉強方法の正解は私にもわかりません。ですが、 今回のコメントが少しでも皆さんの役に立ってくれると嬉しいです。これからも楽しく日本遺産に関する知識を深めていきましょう。
令和の忍び さん(奈良県在住・公務員 病院勤務)
幼い頃から自然が大好きでハイキング気分で地元の山に登っていました。土の匂い、滝や川のせせらぎ、木々の間を吹き抜ける爽やかな風に心身ともに癒されます。登山道では知らない人とも挨拶を交わし温かく声を掛け合います。立ち止まって見上げると、空高くそびえる木々に囲まれて太陽の光が差す光景に自然の偉大さを感じます。神社・仏閣を訪れるのが好きで御朱印巡り、四季折々の花や紅葉狩りなどを楽しんでいます。
◆合格歴
・2025年1月3級検定合格
・2025年5月2級検定合格
・2026年1月1級検定合格

◆受験動機・難易度・試験内容について
—日本遺産検定1級を受験した動機、きっかけを教えてください。
3級・2級と受験して、せっかく興味を持って勉強したのでこの流れで忘れないうちに1級も挑戦しておこうと思い受験しました。
ちなみに、3級を受験しようと思ったきっかけは2024年11月に参加した地元のウォーキングイベントでした。ボランティアガイドの案内で長尾神社から竹内街道、二上山の麓の岩屋窟、當麻寺などを巡りました。普段何気なく訪れている場所でも改めて詳しく説明を聞くと知らないことだらけでとても新鮮でした。地元にこんな素晴らしい日本遺産があるなんて誇らしい気持ちになりました。
2020年6月に「葛城修験」が日本遺産に認定されてから5周年になると聞いて、日本遺産って何だろう?他にどんな日本遺産があるのか知りたいと思い興味を持って調べた際に日本遺産検定があると知りました。
—合格の通知を受けて、どう思いましたか。
3級・2級の時は絶対合格しているという自信がありましたが、1級は正直自信がなく今回不合格なら次回以降の挑戦は断念しようかとも思っていました。かなり難易度が高く、あれだけ勉強して無理なら合格できる気がしないと思ったからです。
時間内に全問解答していくつか見直して全力は尽くしましたが、自信を持って答えられたものが8割以上あるのかギリギリのラインでは?と不安になり、祈る思いで結果を待ちました。合格の通知を受けた時はとても嬉しくて安堵と喜びでいっぱいでした。
—第1回日本遺産検定の問題を解いた率直な感想を教えてください。
3級・2級は問題の形式が一定で、3級は一問一答、2級は穴埋めと、語句さえ覚えていれば簡単に解答できました。問題数が少なく難易度もそれほど高くないため一通り終わった後に全て見直しても時間はかなり余裕がありました。
それに比べて1級は問題の形式が一定ではなく、一問一答や正しいものはいくつあるかなどランダムに出題されるため、残りの問題の形式に予測がつかず時間配分が難しかったです。難易度もかなり高く途中何度も悩みながらの解答で、一通り終わった後に見直す時間はほとんど残っていません。
正しい記述の数を選ぶ設問がどれぐらいの割合で出題されるのか、何問目から何問目までは一問一答など事前に把握できていたら時間配分しやすいかもしれませんが、正しい記述はいくつあるかの形式は設問を読むだけでも時間がかかるので、あと何問ぐらいこの形式が出題されるのだろうと思いつつ、即答できずに迷って一つの設問に時間がかかりそうな時は試験終了までの残り時間を気にしながら最後までたどり着けるか不安になりました。一問一答の形式が出題されている間にスピードアップして、最後の問題まで一通り解答し終えた時はとりあえずホッとしました。
—「最も難しかった」と感じたポイントはどこでしたか?
ただ知識として知っているだけでなく、どの日本遺産にどのような役割で出てきたのかを明確に覚えていないと答えられない難しさに苦戦しました。聞いたことはあるけど…どの日本遺産で出てきたのか、知っているけど…どういった内容なのかなど曖昧では答えられない難しさがありました。
そして、他の日本遺産との関連性や相違点など、3級公式テキストやポータルサイトの内容だけでなく、背景についても深く理解する必要があります。それを何の資料も見ずに自分の言葉で説明できるレベルで理解することが必要です。私ならこんな問題を出すかなと考えながら勉強していましたが、想像していたよりもはるかに難易度が高かったです。
—時間が足りないと感じた方が多かったようですが、どのように時間配分を工夫しましたか?
正しいものはいくつあるかの問で、設問を読んで4つのうち3つは確実に○か✕か判断できて一つで悩んだ場合に、散々考えた末にやっと○か✕か決めて答えを選ぼうとした瞬間、あれ?他の3つは結局いくつ○だったのか忘れてしまい、再度他の3つを読み返して○の数を数えるという時間の無駄が発生しました。
そこで、正しいものはいくつあるかの設問の場合は、確実に判断できた中にいくつ○があるか数えて覚えておき、最後に迷って出した答えを踏まえて解答するようにしました。始めのうちは迷ったものは見直すチェックを入れながら問題を解いていましたが、見直す時間なんて無いと途中で気付いてからは一発勝負で、確信が無くても多分これだろうという感覚に自信を持ってひたすら進むしかなかったです。
考えても分からないものは見直したところでどうせ分からないと割り切って、少し考えたら分かるかもと思えるものにだけ時間をかけました。
◆学習方法・準備について
—どれくらいの期間、勉強をされましたか?
2~3ヶ月間
平日はほとんど時間が取れないので休日に集中して勉強しました。
—使用した教材・役に立った学習方法は何ですか?
ポータルサイト、3級公式テキスト、対策講座で学習しました。対策講座前の1ヶ月間で3級公式テキストに一通り目を通して何となく3級・2級で勉強したことを思い出し、ポータルサイト(ストーリーのみ)に一通り目を通しました。
対策講座に参加し、アーカイブを観ながら勉強のポイントを整理しました。それぞれの日本遺産についてキーパーソンや神事など、これについて調べておいてくださいとおっしゃったことは全て調べて3級公式テキストに書き込みました。ポータルサイトに載っていないことも講師の黒田さんのお話に出てきたことは全て3級公式テキストに書き込みました。
一つの日本遺産ごとに2倍速でアーカイブを観てポータルサイト(ストーリーはもちろん、構成文化財、名産品の項目も一通り)と3級公式テキストを(書き込んだ内容も)読むのを繰り返しました。全ての日本遺産を一通り終わったら、この後何を言うか分かるほど咳払いのタイミングも知ってるほど2倍速で何度もアーカイブを観返しました。その後、3級公式テキストを読んで意味を説明できない語句や神事の内容などを検索して、自分で理解できるまで調べました。
最後に制度について日本遺産の認定の仕組みなどを検索して調べました。
—構成文化財の情報量が膨大ですが、どのように整理・暗記しましたか?
一通りは全て目を通しましたが、試験1ヶ月前からは国の重要伝統的建造物群保存地区や国宝など、地域指定ではなく「国」が指定しているものに絞って再度目を通しました。特に構成文化財名や写真だけでなく説明文があるものを重点的に暗記しました。
—旅行や現地訪問など、その他勉強に役立ったことが具体的にあれば教えてください。
対策講座が一番役に立ちました。合格を目指すなら絶対必須です!!
3級・2級受験の際もお世話になりましたが、勉強のポイントを伝授してくださるもはもちろん、やる気が出るというか、もっと知りたいと思わせてくれる興味深い内容に引き込まれます。ポータルサイトには載っていない内容で、そんな歴史的背景があったのかとか知らないことがいっぱいでワクワクしました。
講師の黒田さんのブログ「平成芭蕉の旅物語」の平成芭蕉の日本遺産も一通り拝見しました。また、興味を持って検索し深く調べることも楽しいですが、やはり実際に訪れたことのある場所はとても印象に残りやすく記憶も定着します。
—独自の勉強方法があれば、ぜひ教えてください。
私はポータルサイトなどの画面で読むよりも3級公式テキストなどの紙媒体に書き込んだり読んだりする方が目が疲れにくく長時間でも集中できて頭に入りやすいので、3級公式テキストに書いていないことは全て書き込んで、これを見たら全部書いてあるという状態にしました。養蚕、街道、石、焼き物、御食国、北前船、疏水など関連するテーマや時代、地域ごとに整理して学習しやすいよう3級公式テキストの目次に書き込んだり印を付けたりして見たいページをすぐに開けるようにしていました。
また、対策講座のアーカイブを2倍速で観ると時間短縮もできますが、よりしっかり聴こうと集中するので頭に入りやすかったです。聞き取れなかったところや理解が追い付かなかった時は速度を落として聞き直したりしました。リアルタイムで視聴した時は自分自身の知識が追い付かず理解できていなかったことも、勉強を進めてから改めてアーカイブを観るとスッと頭の中に入ってきました。
おすすめの勉強方としてはキーパーソンや神事など、対策講座でこれについて調べておいてくださいとおっしゃったことを3級公式テキストの目次に書き込むことです。
調べたことはそれぞれの日本遺産のページに書き込んでおきます。目次を見てその項目について説明し、直後に日本遺産のページを開いて合っているかどうか確認します。目次を見て自分の言葉で説明できなかったものはまだ知識が定着していないので、日本遺産のページに書き込んだ内容をもう一度復習します。それは最低限でキーパーソンや神事などだけでなく、それぞれの日本遺産について目次を見ただけで大まかな内容を語れるように、目次とそれぞれの日本遺産のページを何度も往復しました。
◆日本遺産への思い・受験を通しての気づき
—勉強・受験を通して、日本遺産のどんな魅力を改めて感じましたか?
対策講座で講師の黒田さんのお話に感銘を受けました。
自然崇拝、祖先崇拝の精神の素晴らしさに人生をより良くするヒントを得られた気がします。生きるために先人たちの知恵と様々な挑戦があったからこそ、私たちが今当たり前に生活しているこのライフスタイルに辿り着けたのだと思うと、命の尊さと身のまわりのあらゆるものに対する感謝の念が湧いてきます。
また、自分の身近なところにも日本遺産があると知って誇らしい気持ちになると同時にもっと多くの人に知ってもらいたい、伝えて広めていきたいと思いました。皆さんも普段何気なく訪れている場所に素敵なストーリーが存在するのに知らないなんてもったいない。知らなかったら、ただ景色が綺麗だとか名産品が美味しいという思い出だけで終わってしまう。それも旅の楽しみの一つですが、知っていたらもっと深い感動が味わえるのに人生をもっと深みのあるものにしたいと思いました。
—勉強・受験を通して、印象深かった問題やストーリー・構成文化財があれば、その理由とあわせて教えてください。
私が誰かに話したくなって始めに話したのは「知ってる!?悠久の時が流れる石の島 ~海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~」についてです。
タイトルにもあるように、知ってる!?て言いたくなるのは残念石やマッチョ通りなど面白い名前が印象的でつい調べたくなるのはもちろん、2025年大阪・関西万博関連でちょうどタイムリーな話題だったからです。
残念石とは、大坂城の石垣を築くために切り出されたのですが運搬の途中で落ちたり何らかの理由で石垣に使われず放置された石材のことです。石には大名の家紋や矢穴と呼ばれる楔を打ち込んだ跡が残っているとのこと。気になる見てみたい!と興味をそそられる残念石が万博の会場内に設けられたトイレに使われていたと改めて知ったのは閉幕後でした。万博には話題になった2億円のカラフルな積み木形トイレなど若手建築家の設計によるデザイナーズトイレが8つあり、そのうちの1つに残念石が使われていました。「Traces of Earth/地球の形跡」と名付けられたトイレで、設計を担当した建築家の1人が私と同じ奈良県出身と知って益々ご縁を感じました。
通期パスを購入して何度も訪れた万博会場内のトイレでまさか残念石に出会っていたとは。それにしても、実際に見たらあんなに大きかったのに、石垣を築くためにあのサイズの石材を切り出して運んでいたなんて凄すぎると改めて驚きました。万博ではトイレの柱として活用されていたのですが、石というイメージを遥かに超える巨大で圧倒的な存在感を放っていました。あとから思い返せば残念石が使われていると聞いたことがあったような…家紋や矢穴が残っていると知ったら、もっとしっかり観察しておけばよかったと残念に思いました。トイレ付近の地面には、こみゃく達が石を運んでいる様子がプリントされていて楽しかったのを思い出します。
◆次回以降の受検者へのメッセージ
—これから1級を目指す方へ、アドバイスをお願いします。
自分の地元や興味のある分野から学習を進め、それに関連した日本遺産を調べていくと楽しく勉強できます。1級はただ知識として暗記するのではなく、時代背景や地理的環境、他の日本遺産との関連性など幅広く深い理解が必要です。
対策講座を受講して、分からないことを調べる楽しさを味わえました。試験に出なかったとしても、誰かに話したくなるエピソードにたくさん出逢えますし、まだ訪れたことのない地域にも行ってみたくなりました。
効率よく勉強するためにはまず3級・2級で勉強したことを事前に復習しておくこと。そのうえで対策講座を受講して学習のポイントを整理してから本格的に勉強されることをおすすめします。