日本遺産ソムリエ・インタビューシリーズ
ワンチームで「日本遺産」の魅力を発信!〜キヤノンマーケティングジャパンの“日本遺産ソムリエ”が描く未来とは?〜
日本遺産オフィシャルパートナー
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は、日本遺産オフィシャルパートナーとして、自社の強みである高品質な映像・写真技術を活かし、「日本遺産」のPR動画制作やSNSを活用した写真祭などで、地域の魅力を発信しています。活動の最大の特徴は、部署の垣根を越え、志を同じくするメンバーが“ワンチーム”で動いている点にあります。
そうしたなか、プロジェクトの中心メンバーたちが「日本遺産検定」に挑戦。専門知識を持つ「日本遺産ソムリエ」として認定されました。
今回は、晴れて日本遺産ソムリエとなった小西康裕さん、吉原千絢さん、陸瑛里香さんの3名に、日本遺産ソムリエになった今、改めて感じる日本遺産の奥深さについて、そして、それぞれが考える日本遺産の魅力をお話しいただきました。

ーーキヤノンMJは日本遺産オフィシャルパートナーですが、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。改めて教えてください。
小西:3年ほど前から、私たちは強みである映像や写真技術を活かし、日本遺産をショート動画で紹介する「まいにち日本遺産」プロジェクトの展開や、文化庁の公式SNS・YouTubeを通じた臨場感あふれる映像の発信により、日本遺産のPRを支援してきました。
もともと「地方創生に貢献する」という会社の方針もあり、現在はビジネスとCSRの両軸で日本遺産を応援するスタンスをとっています。
また、2024年にオフィシャルパートナーとなってからは、他企業との連携もより意識するようになりました。パートナー同士の意見交換など、横のつながりを強めていく中で生まれたプロジェクトとして「日本遺産SNS写真祭」などがあります。

―― 「日本遺産SNS写真祭」は様々な企業を巻き込んで展開されているようですが、キヤノンMJ内でも、部門を越えたワンチームで取り組んでいると伺いました。
小西:はい。そもそもプロジェクトのきっかけは、オフィシャルパートナーになった際、他のパートナー企業の方々と「みんなで盛り上げよう!」と意気投合したのが始まりです。せっかくなので、社内でも私の所属する営業部門だけではなく、他部門のメンバーと一緒に運用したいと考えたんです。
SNSの企画ですから、若い世代が会社の公式アカウントで自らの言葉を発信する経験は、きっと良い刺激になると。そこで経理部門に声をかけたところ、陸さんが加わってくれることになりました。
陸:上司から「こういう企画があるけど興味ある?」と言われて、即答で「やります!」と答えました(笑)。日本遺産への興味はもちろんですが、入社から7年間ずっと経理一筋だったので、広い世界を経験してみたいという気持ちが強かったんです。他部門や他社の方々と一緒に取り組めるなら、ぜひ参加したいと思いました。
小西:そうして陸さんが加わってくれて、写真祭は彼女たち若手メンバーが中心になって企画してくれました。SNSのプロではなく、普段からSNSを楽しんでいる世代が運用したからこそのリアリティがあったのだと思います。
陸:第1回は、日本遺産に行ったことがある人の投稿が多く目立ちましたが、第2回は投稿を見た人が「自分も参加してみよう」と思ってもらえるように、新たな層の獲得に向けて、見せ方を工夫しました。その結果、これまでとは違う人たちにも届いた手応えがあります。
また、日本遺産SNS写真祭の協力企業の皆さんにご協力いただき、景品が豪華になったことも大きな盛り上がりにつながりました。

小西:そしてもう一人、情報通信システム本部の吉原さんは、2024年のキャリア採用の入社タイミングから合流してくれました。
吉原:実は、入社時のエントリーシートに「日本遺産がやりたい」と書いていたんです(笑)。地方創生に貢献したいと考えていたので、キヤノンMJが「日本遺産」に取り組んでいると知り、ぜひ関わりたいと思っていました。

小西:吉原さんとは、写真祭だけでなく、チームで何か新しい取り組みができないか模索しているところです。2人以外でもさまざまなメンバーが部門を越えて関わってくれていて、嬉しいですね。社内でも徐々に認知度が上がってきたように思います。
日本遺産を知ると地域の見え方が変わる
地域には魅力的なストーリーが溢れている
ーー仕事として関わる中で、皆さんそれぞれの日本遺産への向き合い方も深まっていると思います。今、改めて感じる日本遺産の魅力とは何でしょうか。
陸:正直に言うと、最初は「世界遺産の間違いかな?」と思っていたくらい、知りませんでした(苦笑)。でも、学んでいく中で、地域の見え方がガラリと変わったんです。
たとえば金沢を訪れた際、九谷焼の「かぶら寿し」の置物を見て、「あ、これは日本遺産のストーリーに出てきたものだ」とすぐに分かりました。背景を知ると、単なるお土産が特別な意味を持つものに変わる。知識が増えることで旅の楽しみが確実に増える、その「ちょっとだけ旅が豊かになる感覚」が私にとっての魅力だと感じています。
ーー旅に出るのが楽しみになりますね。
陸:本当にそう思います。さらに、よく知っている地域の見え方も変わりました。私は横浜出身なので、幼い頃から社会科見学などで鎌倉には何度も足を運んでいました。でも、そこが日本遺産だと知り、改めてストーリーを学んでから歩いてみると、見慣れた景色が全く違って見えるんです。馴染みのある場所なのに、とても新鮮に感じられるのが面白いですね。

ーー吉原さんはいかがでしょうか。もともと日本遺産に興味があったとのことですが。
吉原: 私は昨年、亀の瀬、八代、くにさきなど複数の地域を訪れました。現地で関係者の方から直接お話を伺うと、文字で読んでいただけでは分からなかった歴史の面白さが、目の前の景色と重なってリアルに伝わってきました。
「こうやって日本遺産のストーリーができたのか」「こんな背景があったのか」と、日本遺産に込められた想い、そしてそれを大切にしている人の想いを知り、そうした想いこそが魅力だと感じました。
現地の方々が「もっと広めたい」と真剣に語る姿に触れるうち、私自身も「この人たちの力になりたい!」という気持ちが強くなっています。
ーー素敵ですね! 小西さんは、もともと祭りの映像コンテンツ制作に関わっていたことが、日本遺産に興味を持つきっかけだったそうですね。
小西: はい。コロナ禍で祭りが存続の危機にあった際、映像を駆使して後世に伝えていく文化庁の事業を手がけました。その流れで日本遺産を知り、映像を通じて地域の文化を応援したいという思いが重なっていきました。
日本遺産には、話が無限にあるんですよ。104のストーリーがあり、その一つひとつにさらに無数のエピソードが眠っている。そうやってバラバラだった歴史がひとつの物語としてつながる瞬間こそが、日本遺産の面白さだと感じますね。

日本遺産ソムリエになったことで自信につながった。一緒に盛り上げていける仲間を増やしたい
ーーこうして活動に取り組む中、皆さんは「日本遺産検定3級」にも挑戦され、見事、日本遺産ソムリエになりました。挑戦してみていかがでしたか。
吉原:日本遺産ソムリエという称号を得たことで、日本遺産認定地域の関係者の方々と接する際、自然と会話が弾むひとつのきっかけになると感じています。「本気で向き合っている人」として信頼していただける実感が湧きました。
また、家で日本遺産検定のテキストを読んでいたら、父が「面白い」と日本遺産に興味を持ち、「次の旅の楽しみが増えた」と言ってくれたんです。身近なところから日本遺産のファンが増えていくのは嬉しいですね。

陸:日本遺産ソムリエになったことで、自信を持って日本遺産のことを発信できるようになったと思います。また、旅をした際に、「実はこういう資格を持っているんだ」と自慢できそうです。
ーー検定合格に向けて、どのような勉強をしましたか。
吉原:私は日本遺産検定の公式テキストを購入して勉強しましたが、社内に優秀なメンバーがいて、出そうな一問一答をまとめて共有してくれたんです。それを集中して覚えたのが効きました。学生時代以来の「みんなで頑張る感じ」も楽しかったですね。予想もよく当たっていました(笑)。
小西:吉原さんが言うように、社内で勉強会を開いて「へえ!」と言い合いながらみんなで知識を深める時間があったのですが、それが何よりの醍醐味でした。大人になってから歴史や地理を学ぶ経験もあまりなかったですし、純粋に楽しく学べました。
― 今後、ぜひ2級・1級も目指していただけたら嬉しいです。最後に、皆さんが描くこれからの日本遺産の展望を教えてください。
陸:私もそうでしたが、日本遺産を知ることで、旅行の楽しみが増え、見え方が少し変わります。最初はそのくらいのきっかけで十分だと思うので、歴史が好きな人や、旅に刺激が欲しいという人に、興味を持ってもらえるような機会を増やしていけたらいいなと思います。
吉原: 私は、現地での体験を通じてこそ伝わる魅力を大切にしたいので、実際に足を運ぶ人を増やしていきたいです。日本遺産はまだこれからの分野だからこそ、大きな伸びしろがあります。その可能性を信じて、一緒に盛り上げていける仲間を増やしたいですね。
また、オフィシャルパートナーという枠組みがあるからこそ、一社では成し得ない大きなプロジェクトを協業で生み出せるはず。日本遺産に対して前向きな企業が集まっているこの環境に、新しい発信の可能性を感じています。地域の魅力を語れる人が増え、その面白さに気づく人が広がっていく。そんな循環を、パートナー企業の皆さんと共に創り出していきたいです。
小西:私も「オフィシャルパートナー同士のつながり」に大きな価値があると思っています。 パートナー同士の「協業」を進めることが、結果的に日本遺産の普及につながると考えています。
現在取り組んでいる「日本遺産SNS写真祭」などは、今はまだパートナー企業の有志で支えられている側面がありますが、将来的にはきちんと事業として自走させていく必要があると思っています。それが実現できれば、日本遺産の次のステージが見えてくる。「日本遺産に関わることは、企業にとっても価値がある」と胸を張って言える状態をつくっていけたら。
また、個人的には、将来は日本遺産に限らず、地方創生に深く関わる仕事をしていきたいという思いがあります。キヤノンMJの小西としてできることは限られているかもしれませんが、日本遺産ソムリエにもなりましたし、できる活動をどんどんしていきたいですね。

ーー「みんなで学び、みんなで盛り上げる」。部門の枠を越え、部署も世代も異なるメンバーが「日本遺産」という一つのテーマでつながり、楽しみながらも本気で取り組む姿を知ることができました。みなさん、今日はありがとうございました。今後も日本遺産を広める仲間としてよろしくお願いします!
協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
インタビュー・文:小林こず恵(日本遺産普及協会)